外反母趾でなく強剛母趾?その違いと自宅での対処法

足の親指の痛み・トラブルで言うと外反母趾が真っ先に思いつきます。
そして、足の親指の痛みで意外と知られていないのが強剛母趾。
痛む場所や原因が似ているので混同される方も多いのが現状です。

強剛母趾とは

強剛母趾とは足の親指(中足指節関節)に起こる変形性の関節症のことを言います。

イメージとしては、歩く際に関節と関節がぶつかることによって痛みを生じると考えてもらえばいいでしょう。

強剛母趾になる原因

つま先にストレスを掛け続ける状況になると、親指の関節に負担がかかり続け、年月をかけて関節が変形し発症します。

具体例で言うと、安全靴・革靴でつま先の曲がりが悪い靴を履いて歩く作業の多い人、バレェダンサー(ルルベ・ポワントによる)、などつま先を逸らさざるを得ない、もしくはつま先をそらそうとしてもストレスが掛かる靴を履き続ける人などに多く発症します。

強剛母趾の症状

歩く時全般の痛み、親指のMP/IP関節の痛み・腫れ、親指を逸らせない・曲げられない、逸らすと痛い・曲げると痛い。つま先立ちができない。

また、足全体の筋肉が固く、浮腫んだように見えます。

強剛母趾が進行すると

変形が過度に進むと、上記症状の状態が強くなり歩くことが困難になり手術適応になります。

強剛母趾になりやすい人

安全靴を履いて歩きまわる人(工場内作業員)

足先の硬い革靴を履いて歩きまわる人(営業職)

競技上指先を酷使する人(クラシックバレェ・ダンサーなど)

強剛母趾の整形外科での対応

初期はインソールや靴を工夫し(クッション性の強いもの)親指の曲げ伸ばしに負担がかからないようにする保存療法で経過観察をします。

また、進行して強剛母趾の変形が強くなると手術適応となります。

強剛母趾における診断上の問題

強剛母趾を知らないという知識的な問題から発見が遅れることがあります。

また、痛風やリウマチ、外反母趾と間違ってしまうことによっても診断や対処が遅れることもあります。

当センターが考える強剛母趾と外反母趾の違い

当センターでも『外反母指で悩んでいるんですが・・・』という相談から、実は外反母趾ではなく強剛母趾だったというケースも数例存在しています。

当センターが独自に考える強剛母趾と外反母趾の違い

見た目における変形が強くない

外反母趾では、見た目の変形が強く出ますが強剛母趾の場合、見た目の変形が殆ど無いか、変形が軽度です。

代わりに、足全体が腫れたように浮腫んでいるように見えます。

足全体が筋肉質(扁平足)

強剛母趾の場合、繰り返しの損傷によって起こる場合がほとんどです。

その繰り返しの損傷は、長時間の歩行、バレェのポワントなど足を過度に酷使することで見られます。

外反母趾の場合、足の指がうまく使えず足の筋肉はむしろ低下傾向にあります。

よって、足の筋力低下による扁平足が見られます。

一方、強剛母趾の場合過度の足の使用によって、足全体が筋肉質となり、筋肉が肥大した形での扁平足を呈します。

痛む場所が違う

外反母趾は親指の出っ張り部分を中心に痛みが出ますが、強剛母趾の場合は足の親指の甲側に著明な痛みを認めます。

また、指を反らしたり曲げたりする際に強く痛みが出て、関節の動きもとかく不良になります。

足だけでなく、ふくらはぎ・すね・太ももなど脚全体に強い張りがある。

外反母趾と違い、脚の過使用による腰に波及するまでの脚全体の張りを認めます。

そのため、筋肉が全体的に硬い・身体が硬いという印象が強いです。

ざっと挙げるだけでもこのような違いがあります。

また、強剛母趾と外反母趾が併発した混合型も時に認めます。

強剛母趾の自宅・職場での対処法

痛む部分を冷やす。

強剛母趾は関節の変形による炎症が慢性的に起こっています。

よって、関節部を氷で冷やすなどして炎症を押さえることが重要です。

脚全体のストレッチ

強剛母趾は脚全体の負担が強くなると痛みが悪化する傾向にあります。

臀部や太もも、ふくらはぎのストレッチを行い、日々の脚の負担を減らすことが重要です。

足裏のマッサージ

足全体の筋肉が過度に疲労しているケースが多いため、マッサージクリームなどを使い足裏をほぐしてあげることも有効です。

ただ、強くやりすぎて痛くならないように気を付けましょう。

安全靴をスニーカータイプに変える

職業によっては安全靴が必須になるところもありますので、安全靴をやめるということはなかなかできません。

そのため、安全靴をブーツタイプからスニーカータイプに変えることで負担を軽減するのも一つです。

登山のような足全体を地面につく歩き方をする

本来は踵から地面に足を付いて、足裏を転がし、つま先で踏み切るような歩き方が理想的ですが、強剛母趾の場合はこの歩き方では悪化させてしまいますし、痛みが強くなります。

そのため、太ももを持ち上げて足裏全体を地面につくという登山のような歩き方を採用するのがよいでしょう。

当センターでの強剛母趾の施術法

今まで外反母趾・内反小指を中心に多数の足のトラブルを施術してきましたが、強剛母趾の痛みには鍼と整体を組み合わせた施術が非常に有効です。

鍼は足に行うこともありますが、独自の臨床経験上で殆どの場合、強剛母趾の反応点は骨盤(腰の下)の『仙骨』という部分に認められます。

この部分に鍼を優しく行い、足の緊張を取り除く施術を行うと、比較的時間を要しますが、日常を変えずに手術をすることなく痛みを緩和へと導くことに成功しています。

もし、強剛母趾の痛みを抱えていて

◯手術をしたくない

◯あるき回るのは痛くて憂鬱だけど、仕事が休めない

◯バレェのレッスンでイメージ通りのルルベが痛くてできない

このようなことでお悩みなら、一度当センターにご相談ください。