【シューズ別】外反母趾の人の靴選び

外反母趾でお悩みの方は靴選びに慎重にならざるを得ません。

なぜなら、靴の形状によっては、外反母趾の痛みが強くなったり、靴を脱いでからも痛みが続いたりするからです。

また、適した靴を履いていないと痛みが悪化するだけでなく、痛みがなくとも症状が進行してしまい、更に施術が困難になります。

当センターに相談に来られる方の殆どが靴に関して何らかのお悩みを抱えておられます。

そうしたお悩みに少しでも役立てればと思い、今回の記事では、外反母趾の人が靴選びで見ておくべきポイントをシューズ別にご紹介致します。

解説の前に知っておいてほしいポイント

多くの人は、靴のせいで外反母趾を発症・悪化させていると思われがちですが、実はそうではありません。

よく『ヒールを長い間履いていて悪化した!』等の声をいただきますが、事実は異なります。

もしも、ヒールが原因で外反母趾が発症するならば、
ヒールを履いていない小学生にも発症するのはなぜでしょうか。
そして、ヒールを履く女性は減少傾向にある反面、外反母趾を患う方は増加傾向にあるのはなぜでしょうか。

実は、外反母趾の原因は靴ではなく、
足指の筋力低下と運動不足が原因なんです。


足指の筋力が低下すれば、本来動かすべき関節が動かせなくなります

また、運動不足により足を使う機会が少なくなるのも外反母趾の悪化に繋がります。
事実、車がなかった時代や草履を履いていた時代は外反母趾を患う人は少数でした。

このことから、先天的な要因を除けば、外反母趾は【靴自体】で発症したり悪化するわけではなく、生活習慣や靴によって足指を使う頻度が減ったことにより足が退化してしまった結果、おこってしまうと言えます。

靴選びの共通ポイント

① 大きめの靴を選ばない

外反母趾が靴に当たると痛みが生じるため、ついサイズを大きくしがちですが、
大きめの靴を履くと、靴の中で足がずれてしまう為、きちんと足が使えなくなります。
そうすると、更に筋力が低下し、外反母趾の悪化に繋がります。

② かかとからあわせる 

靴を選ぶときは、かかとがしっかりと固定されているものを選びましょう(かかとにフィットするもの)。
かかとに余裕があると、靴の中でかかとが不安定に動くことになります
そうすると、靴の中で足をしっかりと使えない為、外反母趾が悪化します。

③ 試着は両足

外反母趾がある片方のみ試着するのではなく、必ず両足で試着し、店内を歩いて下さい
日常で履く時と同じ環境で試着するのがポイントです。

④ 試し履きは最低5分は時間をかける

履き始めはしっくりきたとしても、時間が経つと合わなくなる可能性が多いに有ります。
また、新品の靴は馴染むまでに時間がかかりますので尚更足が痛くなりやすいです。
それを防ぐ為にも、最低5分以上は時間をかけましょう。


靴のタイプ別 フィッティングポイント

ではここで、靴別のポイントをお伝えします。

① パンプス

営業や接客などで立ちっぱなしなど、仕事面で履く方も多いと思います。
仕事は一日のうちで最も多い時間を締めます。
以下の部分に注意して、足の負担を減らすようにしましょう。

・爪先部分がしっかりと曲がるもの
・ ストラップがあるもの
・ 底が薄すぎずしっかりしているもの
・ 前すべりしないもの
・ 横幅があるもの

 

② ミュール

おしゃれをするタイミングで履くことが多いミュール。
ミュールでは以下の部分をチェックすると良いでしょう。

・ 足を覆う部分が多いもの
・ 自由に足指が動くもの(靴の中で動かしてみる。)
・ ①のパンプスと同じ要項をチェック

③ サンダル

夏場で履く機会が多く、痛みに悩まされがちです。
サンダルの場合は、

・土踏まずがしっかりサポートされているもの
・ ストラップのサイズを合わせられるもの
・ かかとのストラップもついているもの

これらを選ぶようにしましょう。

④ ローファー

学生の方はもちろん、オフィスカジュアルで履く女性も多いローファー。
ローファーを選ぶ上でのポイントは

・ 底がしっかりと曲がる
・ かかとに隙間がない
・ 合皮はほぼ伸びないものと考える
・ 実際に使う靴下を履いて試着する
・ 足の甲と靴の隙間がありすぎない

⑤ スニーカー

「スニーカーだと大丈夫」という方も、悪化するとスニーカでも痛みは出ます。
以下のポイントに注意しましょう。

・ 適度な重さがある
・ 紐で結べるタイプ
・ 左右上下にしっかり底が曲がる
・ 底に厚さがある
・ インソールが土踏まずにフィットしている


⑥ ヒール

どのような状況でも履くことが多いヒール。
特に外反母趾の方は、ヒールを履くことに一番困難を覚えています。
そんなヒールを選ぶポイントは。

・ 3センチまでのヒール高
・ 底に滑り止めがある
・ 前すべりしない
・ ヒールは太め
・ 土踏まずの部分がしっかりしている
・ 爪先が尖っていない

このようなものをオススメします。

まとめ

外反母趾でも、ポイントさえ守れば、痛みを悪化させず、また外反母趾の進行を防ぎながら靴を履く事が出来ます。
また、外反母趾でない人でも、このポイントを守れば外反母趾の予防にもなります。

是非参考にしてみて下さいね。

 

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