足の親指の痛みの疾患として代表的なのは外反母趾ですが、外反母趾と似たもので強剛母趾(きょうごうぼし)と呼ばれるものがあります。
強剛母趾とは、親指の関節が老化・繰り返しの関節の負荷が起因となり、親指を反らす動作が困難になる疾患です(変形性膝関節症などとおなじように関節が変形して起こります。)。
親指を反らす動作は、歩行の際に地面をしっかり蹴り出す時に重要な動きですので、
これが出来ないと歩行が困難になります。
今日はそんな強剛母趾についてご説明致します。
外反母趾との違い(左強剛母趾 右外反母趾)
外反母趾と似ていると言われていますが、実際には異なります。
外反母趾は、足の裏の筋力の低下により親指の付け根が小指側に変形します。
その為、親指の付け根が飛び出るので痛みが生じます。
強剛母趾は、外反母趾のような大きな見た目の変形は起こりません。
親指の付け根が突然痛くなります。
関節を少し動かしただけでも痛みが走り、場合によれば親指の付け根が腫れる為、リウマチや痛風と勘違いされる方もいらっしゃいます。
強剛母趾は見た目の変形は分かりにくいですが、関節の内部では著しく炎症しているので、悪化すると関節の内部が壊れてしまいます。
そうなると歩行が困難になり、立つ事ですら満足に出来なくなります。
外反母趾と強剛母趾とでは、親指の関節が痛くなるという点では同じですが変形の有無で大きな違いがあります。
強剛母趾の原因
外反母趾は、運動不足等により足の裏の筋力が低下する事が原因です。
強剛母趾は、先天的な指の形の異常が原因とされています。
また、他の疾患や足の関節の歪みから生じるケースもあります。
それだけでなく、日常で硬い靴を履く機会の多い人や、バレエダンサーのように指先を多用したり爪先立ちになる機会が多い人は強剛母趾になりやすいとされています(繰り返しの負荷損傷による)。
強剛母趾の改善法
軽度であれば、一般的にはインソールの使用を推奨されます。
足の裏と関節を補強するインソールを履き、歩行訓練を行います。
また、鎮痛剤を使う場合もありますが、
これは今ある痛みを取り除くだけに過ぎないので、根本的な改善にはなりません。
親指を反らす事が出来ない程動きが悪くなれば、当然痛みも酷い状況です。
立つ事もままならなく、激しい痛みを伴います。
そこまで悪化している場合、手術が選択されます。
手術では足の関節の動きを良くしてくれるため、強剛母趾の症状に対して最も有効とされています。
予後
残念ながら、安静にして自然に改善する事はありません。
適切な施術を受ければ改善される疾患です。
しかし、手術をしない保存療法の場合は
日常生活に気を配らないと痛みが再発してしまう場合もあります。
強剛母趾は、外反母趾のように見た目には出にくい疾患ですが、関節内部は常に負荷がかかってしまっています。
爪先立ちになったり、親指を反らす動作を多用すると、一度引いた痛みが再発してしまいます。
自宅で出来る痛み対策と注意点
辛い痛みを少しでも改善するためには、自宅でのケアも必要となります。
ここでは、簡単にできるケアと注意点をお伝え致します。
自宅ケア
①痛い部分を冷やす
痛みが生じている場合、関節内部は炎症状態にあります。
まずはその炎症を抑える為に患部を冷やしましょう。
冷やし方は氷を痛い部分に直接当てるか、氷嚢(ひょうのう)などを使うと良いでしょう。
時間は10分程度で充分です。
② 靴を見直す
硬い革靴や足の甲部分に鉄が入っている安全靴やバイクシューズは、強剛母趾を悪化させてしまいます。
痛みが激しい場合は、それらの靴を履く機会を減らす事が大切です。
安全靴の場合、ブーツタイプからスニーカータイプへと切り替えることも有効です。(ただし、これは作業内容や会社・上司の判断もあるので、しっかりと相談した上で行うようにしてください。)
③ 足のストレッチを行う
強剛母趾は、親指だけでなく、足の甲やアキレス腱・ふくらはぎにも影響が広がります。
その為、ストレッチなどで足の筋肉の柔軟性を高める事が必要です。
足の柔軟性を高めるストレッチ法は下記を参照にしてください。
注意点
① 患部を温めない
痛みがある場合、つい温めたくなりますが、これはNGです。
炎症がある状態で患部の血行を良くしてしまうと、炎症部分が広がります。
そうなると腫れが酷くなったり、痛みが増悪する危険性があります。
② 爪先立ちにならない・親指を反らさない
女性の方は、ヒールは避けましょう。
爪先立ちになると、患部にかなりの負担が生じます。
また、親指を反らす事も悪化をさせる原因になりますので、歩行時はなるべく足の裏全体で歩くようにしましょう。
当センターの強剛母指施術
当センターでは外反母趾だけでなく、強剛母指も整体で施術が可能です。
強剛母指は外反母趾と比べ、症状の寛解までに半年以上と比較的期間を要します。
しかしながら、手術と比べ仕事を休んで業務に穴を開けることなく痛みを実感できるレベルで低下させることが出来るのが特徴です。
もし、強剛母趾でお悩みの方は当センターまでご相談ください。