外反母趾とテーピング メリットデメリット 2016年1月13日

当センターに来られる外反母趾でお悩みの方は『対策に関しては当センターが初めて』という人もおられれば『他の医療機関にかかったことがある。』という人もおられます。

大体の割合が4:6くらいです。

 

その中でも『テーピングを試した。』という方は6割の中で8割くらいを占めます。

それほど、外反母趾に困ってなんらかの対策をする・・・という上でテーピングは選ばれやすいということです。

 

ところで当センターでは基本、テーピングや道具類は一切使いません。

それはなぜか?外反母趾の根本は、それらでは解決しないことがほとんどだからです。

 

しかしながら、しっかりと役割を考えて使用すれば非常に良い結果も得られます。

今回は、私の考えるテーピングにおける外反母趾対策の、メリットデメリットをご紹介していこうと思います。

外反母趾へのテーピングの効果はある?

答え.あります。ただし、短時間の効果を期待するなら。

ここで言うテーピングは、さまざまな種類のテープを用いて(多くの場合は伸縮テーピングです。)、関節の固定性を高めたり、意図する方向へと力を加えたりする方法のことを指します。
サポーターなどのようにすでに形が決まっているわけではないので、巻き方次第でさまざまな役割を作り出すことが可能で自由度はたかくなり、個々の状態に応じてオーダーメイド的に作成できます。

 

外反母趾の方においても、曲がってきた親指の矯正に対してだけでなく、外反母趾の進行を進める足うらのアーチ構造の低下を補強するのにテーピングが用いられます。
伸縮性のあるテープを使ってのテーピングは、筋肉と似たような働きを示し、関節運動の補強や、変形してしまった関節の矯正にも効果的です。

 

テーピングの巻き方は、それぞれ個人の足の形状や外反母趾の進行の程度、さらには生活環境などを考慮しながら最も適した方法を選択します。
巻き方自体は、外反母趾の相談に行った先の整骨院や整体院などで実践・指導してもらえることがほとんどです。

 

短時間の痛みを抑える(1日〜3日程度)には有効な手段かと思います。

外反母趾へのテーピングのメリット

①高いオーダーメイド性

外反母趾に対するテーピングのメリットとして、一番大きいのは、先にも書きましたがその個人個人の問題に適したテーピング方法を選ぶことができる、という点です。

外反母趾の程度は、人によってさまざまであり、症状の強さも異なります。
また、足の形や大きさも個人よって違いがあります。
テーピングは、市販されているサポーターなどとは異なり、よりその人に合った対処法をとることができます
テーピングの巻き方は整骨院や整体院などで指導してもらえるため、自らの外反母趾の症状や原因に合わせた巻き方を教えてもらうのが良いでしょう。

②短時間だが強い矯正力

また、テーピングに用いるテープの伸縮性は非常に高いため、強い矯正力を生み出すことが可能です。サポーターと比べてもその矯正力は強く、進行予防だけでなく変形自体の改善に対しても効果的です。テープの種類や、テーピングの際の巻く強さを変えることで、矯正力も調節することができ、最適な部分に最適な矯正力を持続的に与えることが可能となります。

③安価である

外反母趾で最初にチョイスされやすい対策として、テーピングはその単価も相まってハードルは低いです。
専門の整骨院・整体院でテーピングを行ってもらった際にかかる料金は5,6千円程度。

手術で入院費用も含め約30〜40万程度必要になるので比べると、効果の持続時間は別としてかなり安価と言えます。

③履物の下に巻いてもかさばらない

テーピングは、薄いテープを巻くだけのため、靴を履く際にもかさばらないことも利点です。

ただし、パンプスやヒールなど、デザインによって足部の露出が多い靴や、足の甲の部分が大きく開いたような靴では、テーピングが見えてしまうため、履くことに抵抗がある方も多いようです。

外反母趾へのテーピングのデメリット

①避けられない皮膚の炎症・かぶれ

大きなデメリットとなるのは、テーピングは一度巻くと、数日間はつけたままになるため皮膚がかぶれて継続的に行うのが難しいということ。
これはテーピングの粘着テープの材質・テープ自体に汗・垢がたまることによります。

②性質上、効果は短時間

テーピングは本来、スポーツの現場でその張力を維持できるのは数分と言われています。

これは、動きに制限をかけ続けることに張力が持たないからです。

スポーツの現場と違い、日常で張力を維持し続けることは困難ではありませんが、それでも巻きたての効果を維持することは困難と言えるでしょう。

③継続的にかかるコスト面

また、テーピング自体は高価なものではありませんが、外反母趾用のテーピングをしっかり巻こうと思うと継続性が大事になります。
そのため、長期間にわたって使用する場合にはコストがかさむことも考えておかなければなりません。

④習得するのにある程度の時間は必要

最後のポイントとして、テーピングは主に自分で貼り替えを行うため、習得に期間を要します。

巻き方自体はとても簡単なものも多いですし、整骨院や整体院でしっかりと巻き方を教えてくれますが、自分で行うテーピングに不安を感じる方も少なくありません。
また、足に巻く手順自体を覚えていても、テーピングはその張る強さや張力のかけ方、かける向きによって効果が変わってきます。
これも、何度も巻き慣れていくことでデメリットとしては感じなくなっていきますが、最初に巻き方を教わる際には、細かいところにも気をつけながら教えてもらうようにした方がいいでしょう。

当然のことですが、テーピングを行うためには時間と手間を要します。

時間も手間もかからず簡単に着脱できるサポーターやインソールとは違い、外反母趾に対するテーピング固定はある程度の時間がかかります(慣れないうちは、30分程度必要)。
慣れてくることで、どんどんと時間はかからなくなっていきますが、最初のうちはテーピングの貼り替えを面倒に感じることもあるでしょう。

 

まとめ

外反母趾に対するテーピング施術は短時間であれば効果的。

メリット

  • オーダーメイド性が高い
  • 短時間だが強い矯正力
  • 安価である
  • インソールなどと違い、履物の下に巻いてもかさばらない

デメリット

  • 避けられない皮膚の炎症・かぶれ
  • 性質上、効果は短時間
  • 継続的にかかるコスト面
  • 習得するのにある程度時間は必要

 

以上が私の考えるテーピングのメリットとデメリットです。
根本改善ではなく『ここ一番だけ!』という限定的な対策としては有効だと思います。