内反小指は外反母趾ほど有名ではありませんが、足のトラブルで相談を受けることの多い疾患です。
多くの場合が外反母趾と併発して起こり、親指だけでなく小指の付け根が痛くて歩くもの困難な状態になります。
ここでは内反小指の原因、痛み方、その対処法をご紹介していきます。
また、臨床経験に基づいた本などには乗っていない独自の考え方も列挙していきます
内反小指とは
足の小指が親指側に曲がっていき、変形(10度以上)を呈する様を言います。
ひどくなると小指の付け根が腫れ痛みのために靴を履くこと、歩くことも困難になります。
内反小指の原因
アーチ、特に外側縦アーチの低下によって起こります。
この外側縦アーチを引き起こす原因は、開張足・扁平足など足の筋力低下によります。
内反小指の症状
小指の親指に向かっての変形、小指の付け根の腫れ、赤み、痛みなど。
ハレに関してはひどくなると関節内部に水がたまりブヨブヨと浮腫んだような形になります。
また、個人的な見解として指で押さえた時の痛み(圧痛)は外反母趾よりも著明で場所が明確です。
内反小指が進行すると
さらに、ひどくなると重心の変化・靴のぶつかりなどから小指の腫れた部分付近にタコや魚の目ができ益々歩くこと、靴をはくことが困難になり日常生活に著しい支障を来します。
内反小指の病院での対応
基本はインソールやテーピングなどの保存療法で経過観察。
痛みが強くなり日常生活が困難になれば手術適応になります。
また、意外なところでは併発して起こる魚の目に関しても痛みが強ければこちらも外科的に取り除くこともあります。
内反小指自宅での対処法
セルフマッサージ
内反小趾でも初期状態にはマッサージを行うことが有効です。
ただし、がむしゃらに行うのではなく、しっかりと腱や筋肉、アーチといったポイントを意識して行う必要がります。
上記の動画を参考にして、実際に取り組んでみてくださいね。
(クリックすると音が出ますのでご注意ください。)
痛み・腫れのある部分を冷やす
外反母趾・強剛母趾でも同様ですが、痛みの起こっている部分には炎症がおきています。
よって、内反小指によって変形が出ている小指の付け根部分を氷で冷やすことが重要です。
就寝時に包帯を撒く
腫れや炎症が起こっている部分にはアイシングだけでなく、圧迫を施すことが有効です。
よって、内反小指によって腫れが起こっている部分に対して包帯を巻くのがよいでしょう。
包帯というと『巻くのが面倒なのでサポーターではダメか?』という質問をセンター内でも受けるのですが、サポーターよりも直接腫れた部分に圧迫が出来るため個人的には包帯を推奨します。
また、包帯を巻いたまま靴を履くのは困難なため就寝時のみに巻いてもいいでしょう。
例え就寝時のみでも、個人差はありますが充分に効果は得られます。
小指の筋力強化・アーチ強化
外側縦アーチを担う一部、小指の筋力強化も有効です。
腫れているのに動かすのか?と思うかもしれませんが、内反小指によって腫れている部分の循環を改善することで痛みの軽減は早くなります。
運動後はアイシングを行うとより効果的です。
※小指の筋力強化の具体的な方法は動画を参照してください。
クリックすると音が出ますのでご注意ください。
腓骨筋の強化
小指の筋力強化同様、腓骨筋という筋肉の強化も外側縦アーチを担う筋肉です。
この部分の筋力強化も内反小指を悪化させないためには重要になります。
重症化して魚の目・タコが出来ている場合はの対処法
魚の目除去のためのパッチを貼る
皮膚科でも出してもらえますが、最近では薬局でも市販されています。
サイズは部分に合わせたものもあるので、日常で積極的に魚の目部分に貼るのがよいでしょう。
こうすることで魚の目部分が柔らかくなったり、パッチが魚の目部分のクッションになるので痛み対策という観点からも非常に有効となります。
お灸を据える
これは少し難しいですが、魚の目の部分にお灸を据えて魚の目の脱落を早める方法です。
市販している簡易のお灸ではなく、手でひねるもぐさを使って直接魚の目に熱を伝えます。
これは毎日何度もやる必要があります。
重症化した魚の目は熱さを殆ど感じないので繰り返ししても問題ありません。
インソールに穴を空け、魚の目に空間を作る。
単純ですが有効な方法。
インソールの一部をくり貫き、ウオノメやタコがあたる部分が直接触れないようにすることです。
こうすることで、日常で歩き回る人の痛みを軽減することも出来ます。
(クリックすると再生されます。音が出ますので注意してください。)
大事なのは重症化させる前に、対策をしていくこと
内反小指は外反母趾同様に進行性です。
そのため、どこかで生じている日常の負の連鎖を断ち切っていく必要があります。
まずは内反小指の原因、状態を知り、上記に紹介したセルフケアにしっかりと取り組んでみてください。
痛みの軽減だけでなく、今後の進行を防いでいくことに役立ちます。